私が鍼灸師になるまで①

はじめに

憧れた美容の世界

髪をアレンジする事や、人に髪を触ってもらう
ことが好きであり憧れもある小学生でした。
また幼い頃から家族が自営業を営んでいた影響か、
自分のお店を持つことや手に職をつけること
に憧れを抱いき、高校生までずっと
将来の夢は”美容師”でした。

高校生になり、美容院でアルバイトを始めました。沢山の事を教わり楽しく働き、希望の専門学校も
決めている状態でした。
しかし、ある時こんな感情に気づいてしまったんです。

髪の色や髪型が変わるお客様を見ても、
自分の心が動かない。興味が湧かない、、、。

”私は自分の髪に興味があっただけで、
　人の髪をデザインすることにはあまり
　興味がないのかもしれない、、、！！”

それまでずっと美容師を夢みてきたけれど、
本当に自分がやりたいことではない事に気づき
その先の自分の進路に迷う時期がありました。

しかし、美容そのものには強い興味があり、
他にはどんな仕事があるのか模索しました。

ダンスとの出会い

そんな時、夢中になっていたのがダンスです。

実は私は、小学生〜高校生まで何度か家庭環境
の変化があり、その影響で体調を崩していました。
突然の環境の変化に戸惑い、不眠や体の痛み、
胃腸の不調などに悩まされる日々。
当時は何が原因かよく分かっていませんでした。

病院へ行っても特に問題はなく湿布や痛み止めを
もらって帰るだけで現状は変わりませんでした。

この不調はどうにかならないの！？と疑問に感じ
よく本屋の健康エリアに行っては自律神経や
食べ物などの本をチェックしに行きました。

不眠で悩んでいた時、深夜に放送されていた
ダンス番組に興味を惹かれ、
”今の状況から抜け出したい！”
”私もこんな風に楽しく踊ってみたい”と
強く感じ、勇気を出してダンススタジオへ
行きました。

ダンスを始めた事によって、体はどんどん
良くなっていきました。ぐっすり眠れるし、
イライラすることも減り、不調も軽減する感覚
が本当に嬉しかった事を覚えています。

しかし、進路への迷いや環境の変化が
ストレスになっていたのか再び不調に
悩まされる日々が続きます。

鍼灸との運命的な出会い

私の祖母は自営業でとても忙しく、
毎日動き回っていました。
そんな祖母の肩をマッサージすることは、
私の日常のひとつでした。
小さい頃からマッサージをすることが多く、
”どうすればもっと楽になるんだろう？”と
考えながらひたすら揉んでいました。

また、祖母は定期的に鍼灸院に通い、
忙しい毎日でも体を整えていたのです。
そんな環境の中にいたからこそ、
私は鍼灸というものを身近に感じていました。

あまりにも調子が良くならないので
祖母に相談すると、、、

「私、今から鍼灸行くけど、一緒に行く？」

「え、鍼！？ 針を刺すの！？ ちょっと怖い…」

そう思いつつも興味が湧いて、
一緒に行ってみることに。

施術を受けた直後、驚きました。

「え、注射は苦手なのに、鍼は大丈夫！？
しかも、体がすごく楽になっている…！」

これまで鍼灸にはなんとなく馴染みが
あったものの、実際に施術を受けてみると、
想像以上の変化に驚きました。

「もしかして、私の体調不良も鍼灸で
よくなるかもしれない…？」

それまで「不調は病院で治すもの」と
思っていたけれど、鍼灸はまったく違う
アプローチで体を整えてくれることを知り、
すごく感動と他にも方法がある喜びを感じました。

そして、鍼灸が自分の体調不良にも効果が
あるかもしれないという期待とともに、
東洋医学の世界に対する興味が
一気に深まる習慣でした。

美容鍼との出会い

鍼灸の存在を知ったものの、私の中ではまだ
「美容に関わる仕事がしたい」という気持ちが
残っていました。

その日の晩、何気なく見ていたテレビに
衝撃の映像が、、、！！！

世界的に有名な海外のアーティストが
顔面にハリを刺して寝ている、、、！！！

「え！？ ハリって顔にも刺すの！？
　 しかもこんな有名な人が！？！？」

私にとって鍼灸は、健康のための地味な治療
というイメージでした。

でも、美容と組み合わさることで、
まるで別の世界のように感じたのです。

美容と鍼灸の可能性の広がりに衝撃を受け、
すぐに鍼灸について調べ始めました。

・自律神経やストレスにも良い影響がある
・美容の分野でも活躍できる

私がずっと悩んできた「体調不良」と
「美容への興味」が、すべて鍼灸で
つながったのです。

「これだ……！」

ここから、私の新しい道が開かれて
いくことになります。

──続く。

次回は、私がどのようにして鍼灸の道を
本格的に進むことを決意したのか、
その過程についてお話しします。