ヨーガ・スートラ第2章28節|八支則の実践と浄化

この記事の内容について

このブログでは、ヨーガ哲学の古典『ヨーガ・スートラ』を、一節ずつ丁寧に読み解きながら解説しています。
原典の考え方を大切にしつつ、現代の心のあり方や日常生活と照らし合わせ、その意味を考察しています。

ヨーガをポーズだけでなく、心の仕組みや生き方の智慧として理解することを目的に綴っています。
今回の記事も、その流れの中の一節についての考察です。

ヨーガ・スートラ第2章28節

『ヨーガの諸部門を修行してゆくにつれて、心の不浄さが次第に消えて行き、それにつれてやがて識別智を生じさせる智慧の光が輝き出す』

解説

第2章28節では、ヨーガの実践を積み重ねることで、心の不純さが取り除かれ、真実を見分ける智慧がはっきりと現れてくる、と説かれています。

ここでいう「実践」とは、ただ知識を集めることではなく、日々の生活の中でヨーガの教えを繰り返し体験し、身につけていくことを指しています。呼吸を整えること、姿勢を安定させること、心の動きを観察すること、そして行動や考え方を見直すこと。そうした積み重ねによって、少しずつ心の曇りが晴れていきます。

心の曇りとは、思い込みや偏った見方、感情に振り回される癖のことです。これらが薄れていくと、物事を以前よりも落ち着いて、広い視野で見られるようになります。その結果、自分にとって本当に大切なことや、進むべき方向が自然と分かるようになっていきます。

この節は、ヨーガの道が特別な才能によるものではなく、地道な実践の積み重ねによって心が整い、智慧が育っていく過程であることを教えています。続けることそのものが、内側の光をはっきりと輝かせる力になっていくのです。

現代視点での解釈

第2章28節は、ヨーガの実践を続けることで心の曇りが少しずつ晴れ、物事を正しく見分ける力がはっきりしてくる、ということを伝えています。大きな変化は突然起こるのではなく、日々の積み重ねの中で静かに育っていく、という視点です。

現代の生活にたとえるなら、運動やストレッチを習慣にする過程に少し似ています。最初は体がかたく、効果もあまり感じられないかもしれませんが、続けていくうちに体が軽くなり、姿勢や呼吸も自然と整っていきます。ある日ふと「前より楽に動ける」と気づく瞬間が訪れますが、それは特別な一日のおかげではなく、日々の小さな積み重ねの結果です。

心も同じで、呼吸に気づく時間を持ったり、自分の反応を振り返ったりすることを続けていくと、以前よりも感情に振り回されにくくなっている自分に気づくことがあります。怒りや不安が出てきても、「いま揺れているな」と落ち着いて見られる時間が増えていく。これが、心の曇りが少しずつ薄れている状態です。

第2章28節が教えているのは、特別な体験を求めることよりも、日々の実践を丁寧に続けることの大切さです。小さな気づきや行動の積み重ねが、やがて物事の見え方そのものを変えていきます。そしてその変化は、心が軽くなり、自分らしくいられる時間が増えていくという形で、静かにあらわれてくるのです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次