ヨーガ・スートラ第2章32節|ニヤマ:自己を整える規律

この記事の内容について

このブログでは、ヨーガ哲学の古典『ヨーガ・スートラ』を、一節ずつ丁寧に読み解きながら解説しています。
原典の考え方を大切にしつつ、現代の心のあり方や日常生活と照らし合わせ、その意味を考察しています。

ヨーガをポーズだけでなく、心の仕組みや生き方の智慧として理解することを目的に綴っています。
今回の記事も、その流れの中の一節についての考察です。

ヨーガ・スートラ第2章32節

『清浄、知足、苦行、聖典読誦、神様への帰依が勧戒である』

解説

第2章32節では、ヨーガの実践を支えるもう一つの大切な柱として「ニヤマ」が示されています。ニヤマは、自分自身の内側を整えるための規律や心がけのことを指します。

ここで挙げられているのは、シャウチャ(清浄)、サントーシャ(知足)、タパス(苦行・鍛錬)、スヴァーディヤーヤ(自己探究・学習)、イーシュヴァラ・プラニダーナ(大いなる存在へのゆだね)の五つです。

シャウチャは、身体や環境だけでなく、心の中も整えていく清らかさを意味します。サントーシャは、今あるものに満足し、過度に求めすぎない心の安定を育てます。タパスは、自分を高めるために必要な努力や鍛錬を続ける姿勢です。

スヴァーディヤーヤは、聖典を学んだり自分自身を見つめたりすることで、内面への理解を深めていくことを示します。そしてイーシュヴァラ・プラニダーナは、すべてを自分の力だけで支配しようとせず、大きな流れにゆだねる謙虚さを育てる教えです。

これらのニヤマは、外側の行動を整えるヤマに対して、内側の心を整える実践です。日々の積み重ねによって心は少しずつ澄み、ヨーガのより深い段階へと自然につながっていく、そのための大切な土台がここで示されています。

現代視点での解釈

第2章32節では、自分の内側を整えるための実践として「ニヤマ」という五つの心がけが示されています。これは、心を落ち着かせ、より深くヨーガを実践していくための土台になる生き方です。

現代の生活にたとえるなら、「心のコンディションを整える毎日のセルフケア」のようなものです。たとえば、部屋を整えたり身の回りを清潔に保つことは、気持ちの整理にもつながります(清浄)。今あるものに目を向けて「これで十分」と感じることは、心の焦りを和らげてくれます(知足)。

また、少し大変でも体や心のためになることを続ける姿勢は、自分を育てるトレーニングのようなものです(鍛錬)。本を読んだり、自分の気持ちを振り返ったりする時間は、自分を理解するための大切な時間になります(自己探究)。そして、すべてを自分でコントロールしようとしすぎず、流れに任せる気持ちは、心の力みをゆるめてくれます(ゆだねる姿勢)。

こうして見るとニヤマは、特別な修行というよりも「心を健やかに保つ生活習慣」とも言えます。日々の小さな積み重ねが心を澄ませ、ヨーガの実践を無理なく深めていく支えになっていくのです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次