このブログでは、ヨーガ哲学の古典『ヨーガ・スートラ』を、一節ずつ丁寧に読み解きながら解説しています。
原典の考え方を大切にしつつ、現代の心のあり方や日常生活と照らし合わせ、その意味を考察しています。
ヨーガをポーズだけでなく、心の仕組みや生き方の智慧として理解することを目的に綴っています。
今回の記事も、その流れの中の一節についての考察です。
ヨーガ・スートラ第1章2節
『ヨーガとは心素の働きを止滅することである』
解説
ヨーガ・スートラ第2節では、ヨーガの本質がとても明確に示されています。
ヨーガとは、次から次へと浮かぶ考えや感情に心を奪われ続ける状態から離れ、心の動きを静かに収めていくことだと説かれています。
ここでいう「心を止める」とは、思考を完全になくすことではありません。
考えが浮かんでも、それに巻き込まれず、反応しすぎずにいられる状態になることを意味しています。
忙しい毎日の中で、心が常に外に引っ張られている私たちにとって、
この節は「心を整えることこそがヨーガである」という、とても実践的なメッセージを伝えている一節だといえるでしょう。
現代視点での解釈
ヨーガ・スートラ第2節では、ヨーガとは「心に起こるさまざまな動きを収めること」だと説かれています。
これは、何も考えなくなることや、感情を感じなくなることを意味しているわけではありません。
私たちの心は、日々たくさんの情報や刺激にさらされ、次々と考えや感情が浮かびます。
たとえばスマートフォンの通知のように、気になることがあるたびに心が引っ張られていると、落ち着いて今に集中することが難しくなります。
ヨーガがいう「心を収める」とは、考えや感情を消すことではなく、それらに振り回されずにいられる状態のことです。
必要なときには向き合い、そうでないときには手放す。心との距離感を取り戻していくことが、ヨーガの実践だといえます。
日常の中で、不安や心配が浮かんできても、それにすぐ飲み込まれず、また「いま目の前のこと」に意識を戻せる。
ヨーガ・スートラ第2節は、そのような心の使い方こそがヨーガなのだと、私たちに教えてくれている一節です。
