このブログでは、ヨーガ哲学の古典『ヨーガ・スートラ』を、一節ずつ丁寧に読み解きながら解説しています。
原典の考え方を大切にしつつ、現代の心のあり方や日常生活と照らし合わせ、その意味を考察しています。
ヨーガをポーズだけでなく、心の仕組みや生き方の智慧として理解することを目的に綴っています。
今回の記事も、その流れの中の一節についての考察です。
ヨーガ・スートラ第2章43節
『苦行によって不浄が尽きるから身体と感覚器官の制御に熟達する』
解説
第2章43節では、「苦行(タパス)」の実践によって、心身の不純なものが浄化されていくことが説かれています。
ここでいう苦行とは、ただ自分を厳しく追い込むことではなく、日々の中で自分にとって必要な節度や努力を保ち続けることを意味します。習慣的な惰性や快楽に流されるのではなく、自分を整えるための意識的な選択を重ねていく姿勢です。
このような実践を継続していくことで、心や身体の鈍さや乱れが少しずつ取り除かれ、本来持っている力が発揮されやすくなっていきます。タパスの実践は、自分自身を整え、内側からの安定を育てていくための大切な過程とされています。
現代視点での解釈
第2章43節を現代の私たちの生活にあてはめて考えると、「自分を整えるために必要な習慣を、意識して続けていくこと」ともいえます。
たとえば、体調を整えるために早く寝ようと思っても、つい夜更かしをしてしまったり、集中したいのにスマホを見続けてしまうことはありませんか。そんな中でも、「今日はここまでにして休もう」「少しでも呼吸を整える時間を取ろう」と、自分にとって必要な行動を選び続けることが、日々の実践になります。
このように、心地よさだけに流されるのではなく、自分を整えるための選択を重ねていくことで、少しずつ心や身体の状態が安定していきます。その積み重ねが、本来持っている力を引き出しやすくしてくれるのかもしれません。
